【おすすめ農機具】獣害対策に役立つ電気柵とは?仕組みや失敗しない為のポイントなど詳しく解説

広告
農機具

猪や鹿など野生動物による農作物の被害は依然として高い水準にあり、農林水産省のデータによると、令和3年度の被害額は約155億円となっています。

引用元:農林水産省

またこれらの背景には、被害にあった農家さんの営農意欲の減退ともなっており、被害額以上に深刻な影響を及ぼしています。

今回はそんな獣害被害を少しでも減らす方法である、電気柵について解説していきます。

電気柵とは

電気柵は、畑や田んぼの周りに電気柵を張ることで動物の侵入を防ぐ役割があります。

ワイヤーには強い電気が1秒間に1回の間隔で流れており、これに触れた動物に電気ショックを与え、痛みを経験させることでこのヒモは怖いと認識させて柵に近づけさせないようにします。

電気柵の歴史

元々は家畜の放牧をコントロールするシステムとして開発されました。

野生動物による農作物への被害や、列車などとの接触事故が深刻化し社会問題としても取り上げられた2000年代ごろから、鳥獣被害対策の制度や補助金が整備されるようになり、猪などの野生動物対策として電気柵の技術が応用され急激に普及してきました。

電気柵の仕組み

田畑の周りに電柵線をはり、電柵器の出力端子に出力線、アース端子にアース線を接続します。

電柵線には一定間隔で電流が流れており、電柵線とアース(地面)が動物と接触すると

電柵器→電柵線→動物→地面→アース』という閉回路ができ動物は強い電気ショックを受けます。

ちなみにアースがなければ動物は電気ショックを受けません。

アースの重要性

アースがしっかりと埋設されていないと効果が発揮されないので以下のことに注意しましょう。

電気柵の管理方法

電気柵は管理の仕方も重要になってきます。

少なくとも1週間に1度見回りをして、以下のようなところがないかチェックしましょう。

・草が茂り電柵線に触れていないか

・電柵線が緩んで地面についてないか

・電柵線が切れていないか

・看板など金属に触れていないか

電気柵の注意点

電気柵を設置した後はすぐに通電するようにしましょう。

とういのも、電気の通ってない電気柵に一度でも侵入を許してしまうと『ただのヒモ』と認識させてしまい警戒心が薄れてしまいます。

動物の種類によっては感電しない部位もありますので、上手く感電を避けながら再度侵入を許してしまうという事になりかねません。

イノシシを例にすると・・・

猪は警戒心があると鼻先でチェックする動作をします。

この時に電気柵が作動し痛みを与えれば成功となり、今後進入される事はないのですが、

もしこの鼻先でチェックしている時に作動していなかったらどうなるでしょうか?

この柵は『ただのヒモ』だと認識し、

次回からは警戒心が薄れ鼻先チェックをせず頭から侵入してきます

猪の胴体部分は電気を通さないのでいくら作動させていても侵入してしまう。

といった流れになります。

電気柵の価格

電気柵の価格は『電気を供給する本体』や『対策する動物』などによって変わってきますが、大体の相場が20,000円〜100,000円ぐらいになります。

本体の電源方式

電気柵の本体は電気を供給する電源によっても価格が変わってきますので確認しておきましょう。

電源方式費用の目安特徴
ソーラー太陽光で充電できる
バッテリー大容量で長持ち
乾電池手軽に管理が可能

電気線の段数

対策する動物によって電気線の段数が変わり費用を決める要素になります。

動物イノシシシカサル
段数2〜3段4段8段

段数が多くなれば、使用する枠線の長さも長くなるので、費用も高くなります。

電気柵設置に必要なもの

・本体

・支柱

・クリップ

・簡易緊張具

・ゲートハンドル

・ワイヤー(柵)

・アース

・本体設置杭

・危険表示板

・検電器

基本的に上記の10点が必要になってきます。

全て1個ずつ揃えようと思うと大変ですので、初めて電気柵を設置する方は初心者用のセット商品がありますので、そちらを購入することをおすすめです!

よくある質問

人が電気柵を触るとどうなる?

感電します。

例えば猪の侵入を防ごうと思うと

6000〜8000Vの電圧かける必要があります。

6000〜8000Vというのは感電した部分が強い痛みと痺れを感じるので注意しましょう。

ちなみに獣の侵入を防ぐためには最低でも3500Vの電圧が必要になりますので覚えておきましょう。

電気柵は自作できるの?

自作することはできます。

ですが、実際に自作した電気柵に感電してしまい死亡してしまった事例などもありますので専門知識がない方は市販のものを使いましょう。

電気柵は違法なの?

正しく設置すれば問題ないですが、場合によっては違法になってしまう。

下記の場合に限り電気さくを施設することを認めている。

  • 田畑や牧場、その他これに類する場所において
  • 家畜の脱出又は野獣の侵入を防止するために施設する場合であって
  • 絶縁性がないことを考慮し、感電又は火災の恐れがないように施設するとき

したがって、下記のようなものは、いずれも施設することを認められない不適切・違法な電気さくである。

  • 田畑・牧場等でない場所に施設したもの
  • 人間の侵入・脱出を防止するためのもの
  • コンセントの100V電源をそのままつなぐなど感電・火災の危険がある構造のもの

引用元:Wikipedia

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回の記事を読んで電気柵の仕組みや注意点などが分かったと思います。

失敗しないポイントをざっくりまとめると以下の3つです。

・電気柵の仕組みをしっかりと理解する

・注意点を理解し電気柵を正しく設置

・わからないところは事前に確認する

覚えておきましょう!

参考

放牧と電気柵の情報サイト

有限会社薩摩農機

イノホイ

コメント